キノコは、木の子?
日本は温暖湿潤な気候で、国土の約70%が山林です。適度な温度と湿度、そして有機物(植物や動物の遺体など)から栄養を得て生活するキノコにとって、森や林は切っても切れない存在なのです。また、生きた樹木の根や倒木、枯れ木に繁殖するキノコの種類は、樹木の種類と密接に関係しています。
もちろん、木の子供ではありませんが、森や林に生息し、樹木の根や倒木からにょきっと頭を出している姿がまるで木の子供のようで『木の子』とつけられたのでしょう。
キノコは『木の子』であるとともに、森や林をリサイクルする樹木にとっては大切なパートナーなのです。
香りマツタケ、味シメジ
日本で昔から食べられていたキノコは、マツタケ、シメジ、シイタケ、エノキ、ヒラタケ、マイタケなど...現在の私たちの食卓にのぼるキノコと変わらないですね。
もっとも、最近では人工栽培され、旬とされる秋以外でも一年中食べられるようになりましたけど。
しかし、マツタケは人工栽培は難しく、そのせいもあって9月末〜10月にかけての短い期間、高級食材として庶民にはちょっと高嶺の花。
『香りマツタケ、味シメジ』といわれるように、その独特で芳醇な香りが珍重され、古くは万葉集の歌にも詠まれているほどです。
今も昔もマツタケをこよなく愛し、今では世界各国のマツタケが日本に集まってきていますが...海外ではそこまで珍重されてはいないようです。食文化の違いといったところでしょうか。
さて、『味シメジ』ですが、これは天然本シメジのこと。天然本シメジは栽培できないため、9〜11月が旬のなかなか手に入らない貴重品です。
食品店で周年通しシメジとして売られているのは栽培されたヒラタケ(以前は『ほんしめじ』の名で売られていました)、ブナシメジ(白いものあります)などです。
シメジは群生して地面を占めるので『占地』、湿った場所に生えるので『湿地』の字が当てられています。
貴重品の天然本シメジは、広葉樹林や松との混成林の、文字通り湿った場所に群生して生え、旨味成分のグルタミン酸やアスパラギン酸をたっぷり含んでいます。
キノコの栄養
キノコには排便を促す食物繊維と、排尿を促すカリウムが豊富に含まれています。
シメジ、マイタケは共にビタミンB2が多く含まれ、脂肪の代謝を促し細胞を活性化させる働きがあります。さらに免疫力を高めるグルカンが多く含まれ、抗ガン作用が期待されます。
エノキは、キノコ類の中でも食物繊維が特に多く、ビタミンB1、ナイアシンなど疲労回復効果のある栄養素を豊富に含んでいます。
シイタケに多く含まれるエルゴステリンは、日光に当たるとビタミンDに変わり、カルシウムの吸収を助け、骨粗しょう症の予防に効果があります。干しシイタケにするとビタミンDが多くなります。
また、シイタケ特有の成分であるエリタデニンはコレステロールの上昇を抑え、動脈硬化の予防にも効果があります。
キノコはデトックス効果の高い栄養素を豊富に含み、しかもローカロリーですので、ダイエットしたい方、生活習慣病が気になる方は、積極的に食事にとり入れましょう。
キノコのガーリックソテー
いろいろなキノコを一緒にたっぷりと、キノコ本来の味を楽しみたいから味付けはシンプルに。
定番のバターソテーも良いですが、オリーブ油とガーリックで炒めて、仕上げにしょうゆを少々。食べる時にレモン汁を絞って...
秋の夜長にワインと一緒に楽しみたい一品。
キノコブレッド&ほうれん草ジュース
たっぷりキノコとほうれん草ジュースで、栄養満点!秋のブランチメニュー。
ほうれん草+りんご+ヨーグルトのデトックス最強ドリンク。オリーブ油で作るホワイトソース&キノコたっぷりブレッドに添えて、食欲の秋に嬉しいダイエットメニュー。
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キノコは地球のリサイクル屋さん
しかし、キノコはけっして下等な生物ではありません。現在の生物学では、キノコは『菌類』に属し、植物、動物と並ぶ第三の大きな生物群として認識されています。
生態系には3つの役割があります。
キノコを含め菌類は、植物や動物の遺体を分解、吸収して無機物に変え、物質循環をスムーズにしています。もし彼らがいなければ、地球は有機物の山になっているかもしれません。キノコはいわば生態系のリサイクル屋さん。植物、動物に負けず劣らず重要な役割を担っているのです。