きのちゃんのワインレポート

第9回 王道ワインに乾杯!

今回はブルゴーニュの白とボルドーの赤という王道ワインのテイスティング。
銘柄はシャブリ・グランクリュ「LES CLOS」2001年とサンテミリオンの赤CH.TROPLONG MONDOT 1999年です。

初めにシャブリ・グランクリュ「LES CLOS」ですが、これは昨年にも同じネゴシアン(仲買業者)のJ.MOREAU&FILS社のシャブリ・プルミエクリュをテイスティングしましたが、今回は前回より1ランク上の等級です。

シャブリというと大変日本に馴染みがあるワインだと思いますが、4つの等級に分かれており、普通シャブリというと上から3番目の等級いわゆる「シャブリ」を指しています。すっきりとしたりんご酸の効いた辛口白ワインで「生牡蠣にシャブリ」というとこのクラスのシャブリを指します。
一番上級のシャブリは今回テイスティングするシャブリ・グランクリュというクラスで全部で7つの畑があります。大変狭い地域でこの特急畑から作られたものだけがシャブリ・グランクリュが名乗れることが出来、ラベルには必ずその畑の名前も書かれています。今回テイスティングの「LES CLOS」はそんな貴重な畑で出来たワインです。

色は黄緑がかった麦わら色でツヤ、輝きもあります。香りは控えめで上品。りんごの蜜のような甘い香りとグレープフルーツのような酸味と苦味も感じられ少しバターのようなまろやかな香りも感じます。味わいは香りの印象と同じく快く果実味があり、酸味と甘味のバランスもよくとれています。すっぱいだけではなくまろやかでふくらみがある酸味が特徴で喉越しもなめらか。
これからの季節には魚介のマリネやヒラメなどのコクのある魚のクリームやバターをソースに使った料理にピッタリ合いそうな辛口白ワインでした。

続いて赤ワインCH.TROPLONG MONDOT のテイスティングです。

これは直前に試したのと同じ銘柄・年代でしたが、全く違う味わいでした。
その日の体調に寄っても味わいは変わりますし、ボトルの保存状態、拠出温度にも影響され、一本として同じものが無いのがワインだということを実感しました。

外観はレンガ色で粘着性があり、ツヤもあります。香りは強い樽香を感じ、ブラックペッパーのようなスパイシーな香り、森林のようなさわやかな香りやふっくらと温かみのある土の香りや、なめし皮のような熟成香も感じられます。味わいは第一印象が強めで、前回は酸味の強さが際立っていたように思いますが、今回は酸味と甘味の両方のバランスがよく、タンニン(渋み)も十分に残っていました。

まだまだ熟成が始まったばかりであと10年後くらいしたらもっと素晴らしくなるのではないでしょうか。とても力強いこの赤には、ウズラやホロホロ鶏のグリルなどの料理にとても合いそうです。

今回は白、赤とも芳醇な味わいで大変バランスがとれた満足度の高いテイスティングとなりました。

画像

今月のテイスティングワイン

  • (左)LES CLOS
    2001年 フランス産 白
  • (右)CH.TROPLONG MONDOT
    1999年 フランス産 赤

profile

大手証券会社に勤めるOLきのちゃん。ワイン好きが高じワインエキスパートの資格を取得。ワインの事も詳しいけれど、何と言っても飲むのが大好き。そんなきのちゃんが仲間たちと始めたクローズドなワイン会をレポート。どこかのお店で飲んだら目が飛び出るほど高いワインや希少なワインを、素敵なシニアソムリエの先生がオークションで手に入れ、紹介してくれる・・・ありがたくも不思議な会なのです。