ぷち美人奮闘記

第55回 10年後の約束

いよいよ決断をしなければならない日! 朝から落ち着かず、仕事もミスばかり・・・(>_<)

そんなこんなで、30分くらい遅れて到着した私に、
「レイ・・・これから殴りこみにでも行くの?だったら助っ人するよ。」
そんな冗談にも、すぐに反応が出来ないほど、緊張していたみたい。
『よっぽど怖い顔してたんだ、私。』って、気付いた瞬間、なんか妙におかしくなって、大笑い。
「まぁ、座ったら。」ヤツの声に、周りの視線が少し恥ずかしくなって、「ふぅ~」と一息つき、席に着く。

「この白ワイン、結構レイ好みかも。」グラスを傾けながら、さりげなく、とりあえずの1杯をすすめる。

私の白ワインをオーダーする横顔を見ながら
『ずぅ~と、このままの2人でいられたら・・・』って、現実逃避したくなる自分にカツを入れる!

何杯か飲んだ後、もう1軒、この近くの行きつけの店に行こうと、ヤツが席をたつ。

通りを並んで歩きながら、やっとのおもいで話を切り出す。「私ね・・・」
「うん・・・」予想していたかのような自然で優しい受け答えが、私の次の言葉を促す。

この場面、どこかで・・・そうだ、昔、ヤツに、「友だちでいよう」と言った時と同じだ。
面と向かってだと私が言い出せないだろうと、このシチュエーションをあえて作ったのかもしれない。

そう思ったら、決心が揺らいで、次の言葉が出なくなった。一度、深呼吸してから、「ごめん・・・。」
「すっごくたくさん考えて、迷ったんだけど・・・まだやりたい事がここにあるから、一緒には行けない。」

「そうだよな・・・ごめんな、迷わせて・・・自分の思うように、やりたい事をやる方がレイらしいよ。
だから、待っているとも、待っていてくれとも言わないよ。お互い、明日のことは分からないしな。」

精一杯、私に気を使う、その優しさが嬉しくて・・・なのに、それに応えられない自分が情けなくて、
涙があふれてきた。

「おい、先に泣いたら、オレが泣けないじゃないか。でも、これで2回目か・・・レイを泣かしたの。
めったに泣かない女を2回も泣かしたんだから、オレってすごいよな。」

なんて、憎まれぐちに、泣きながら笑う私。
そして、こんないい男を2度も振ってしまった私は、女としてどうなんだろうと、ちょっと自己嫌悪。


「10年後・・・そう、50才になっても、お互い独りだったら・・・その時は一緒になろうな。」
そんなシャレのきいた言葉を残して単身、シンガポールへ。

10年後・・・だったら、きっと、素直にヤツの胸に飛び込んでいるだろうなぁ~ (*^。^*)

でも、その時になって「記憶にございません!」って言われないよう、磨いておかないとね。(苦笑)

memo

フリーでマーケティングや企画の仕事をこなす、都内在住、バツイチ独身女性。
何でも一生懸命、強くたくましく…でもどこか弱い…。
40才を目前に、女の幸せって?きれいな人って言われるには?などと日々奮闘するレイちゃん。もしかしたら、あなたの近くにレイちゃんがいるかも…。